JALでGPSリセット問題発生! 今回の原因は???

皆さま、こんばんわ!Engineer Travellerです。

 ちょっとマイレージとか修行から離れて、Engineerらしく技術の話をしてみたいと思います。一応文系の方にもわかりやすくしているつもりなので、ちょっと参考にしてもらえればと思います。

 自分は情報系ではないので、一部不正確なところがあればご指摘ください。

 

 

 

<<<目次>>>

  • GPSが原因でフライトに遅延発生 
  • GPSの仕組み
  • 今回のGPSリセット問題
  • 対応策
  • 根本的対応策は?でも。。。。

 

 

  • GPSが原因でフライトに遅延が発生

自分でネットで騒がれるまで知りませんでしたが、GPS2000年問題のような問題が発生する可能性があり、GPS利用機器(船や飛行機)などで注意が呼びかけられてました。

internet.watch.impress.co.jp

 

 前回(1999年)はいろいろなトラブルもあったようですが、当時に比べて情報化が進み、スマホなど身近なところでGPSが使用されているので、トラブルが発生すると影響は過大になりそうです。

 

 JAL/ANAなどの航空会社は対応済みであることを表明していましたが、完璧はなかなかうまくいかないようで、JALで最大22時間3便の影響が出たようです。

 

         f:id:engineer-traveller:20190408155900p:plain

 Engineerらしく、なぜ問題が起きたのか?解説していきましょう!

  • GPSの仕組み

 まずは、GPSの仕組みを知らないとこの問題の根本的な原因がわかりませんので解説していきます。

 地球上にGPS用の衛星を複数打ち上げておいて、位置測定用の電波を地上に向けて送信し続けています。こうすると、地上では複数の衛星信号を受信することができます。

f:id:engineer-traveller:20190408103025p:plain

 

 

 例えば、6:00:02秒に次の信号を受信したとしましょう。

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  衛星の遠近は受信者の時間と、衛星の電波に書いている時間のデータの差からどのくらいのタイムラグがあったのかがわかります。このタイムラグと電波の速さから、それぞれ衛星A,B,Cまでの距離が割り出せます。

      ※実際のタイムラグはもっと小さいですが、わかりやすくしています。

  

  すると、三つの距離情報を合わせると、受信者の位置を特定することが可能です。

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<位置特定の手順>

  • 衛星Aの電波情報から、衛星Aを中心に測定された距離の球を描きます。
  • 同じく衛星Bからの距離で球を描くと、一つの円周が出てきます。
  • そこに衛星Cから同じように球を描くと二点に絞られます。
  • 一点は地球外なので排除して、地球上の一点が受信者の位置とわかります。 

※紙の上で3点からコンパスで円を作ると一点に交わるのを考えてください。

 

 

  実際は受信者の時間が正確じゃなかったりするので、衛星は最低4つを使って位置を推定していますし、衛星の数が多いほどより正確な位置を割り出せます。

  • 今回のGPSリセット問題

  今回のGPSリセット問題は発信している情報に問題があります。

 GPSには衛星の位置情報とともに、いつ発信したのか?というのが重要です。この情報を電波に載せているのですが、データのイメージは......

 

f:id:engineer-traveller:20190408111244p:plain

 

 こんな感じになります。 そのうち時間とともに、

 

   何週目か?

 

 という”週番号”の情報を載せています。日付に関する情報ですね。

 その何週目か?という情報は10個の"0"と"1"で表現されています。これを10ビットと言います。この10ビットで表現できる数は10進数にすると

 

f:id:engineer-traveller:20190408112145p:plain

 

 

  1024通りの数が表現できます。これを年間52週で割ると、約19.7年となり、19.7年を表現することが可能です。ですが、この19.7年の時に問題が発生します。

 

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  1023週目の時は全部1になっているので、ここにプラス1を加えていくと、繰り上がって0になります。(実際は0になった時にはリセットされるようなので1週になるようです。)

 

 そうなると。。。。。

  

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 現在時間とのミスマッチが発生して、19.7年前の電波を受信した?と判断してしまって、地球外のめちゃくちゃ遠いところにいるのでは????となってしまうわけです。

すると、位置を測位する機械がエラーを起こして正しく表示されないなどのトラブルが起きてしまうわけです。
  

  • 対応策

  一時的な対応策ですが、すでに過去になった日付はもう使われませんので、ある基準日を設けて、

  それ以前は2019年4月以降です! 

  と読み替えるソフトを機器にインストールすればOKです。

 

<イメージ>

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  ネットにつながっているスマホなんかは、OSの自動アップデート機能があるので更新してくれるはずです。

  航空機なんかはきちんとソフトのバージョンを管理しているはずなんでしょうけど、今回はJALの手違いでアップデートされてなかったのか?よくわかりませんが、ANAをはじめ国内航空会社では起こっていないようですね。

  今後再発防止策などの対策が必要になってきますね。

  • 根本的対応策は?でも。。。。

  根本的な対策はシンプルです。 この週の情報を10ビットから14~16ビットにするしかありません。14ビットにするだけで、現在の16倍、約320年は対応可能です。

  ですが、これをするには世界にあるGPS機器に

 

 ビット数が増えたよ~~!!

 

という情報をアップデートしないといけませんので、その手間は膨大です。加えて、このGPSはもともとミサイルなどの軍用で開始されていますので、ミサイルがエラーを起こして友好国に着弾してしまったら政治問題になってしまいます。

 

 というわけで、ずっと19.7年ごとのリセットを耐えるしかないのです。

 

  なんで、10ビットしか割り当てなかったの??

 

 という疑問が出てくると思いますが、いろいろと理由はあります。

 

  • データ数を増やすと、通信に時間がかかる
  • 設計当時は20年運用することを想定していなかった

 

 おそらく、一番は通信時間の問題ではないかと思います。設計当時は通信速度が非常に遅くて、1ビットでも情報を減らしたかったのでは?と思っています。

 しかし、パソコンでもあった2000年問題といい、設計仕様はよくよく考えないといけませんね。そういうことを痛感させられる問題でした。

 

 

 

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